新刊
日本語教師が知りたい 敬語と待遇コミュニケーション
敬語は、日本語教師にとって指導が難しい項目の一つです。昨今、敬語の指導においては、敬語表現だけに着目するのではなく、人にどう接するか・受け手がどう理解するかなどを含めた「待遇コミュニケーション」という広い枠組みの中でとらえることが重要だと考えられています。
本書は、敬語指導に必要な知識や考え方を日本語教師が身に付けるために、まず、日本語の待遇コミュニケーションについて考え、その上で、敬語の形式や役割、敬語が使われる言語行動について詳しく見ていく構成となっています。日本語教材(『みんなの日本語初級』など)のなかでの待遇コミュニケーションの重要性、どのような表現が登場するか、授業での扱い方についても紹介されています。
日本語教育を学ぶ学生の方、現役日本語教師の方、日本語教師を目指す方におすすめです。
※『聞いて慣れよう日本語の敬語-場面で学ぶ日本語コミュニケーション-』の理論的な解説書としてもお使いいただけます。
目次
Ⅰ はじめに
1.敬語とは
2.丁寧と配慮
3.敬語に対する考え方 -学習者の発言から見えてくるもの
4.待遇コミュニケーション
Ⅱ 待遇コミュニケーションの世界のとらえ方
1.相手のとらえ方
(1) 自分との関係
(2) 自分との位置関係
(3) 自分との距離
(4) 親しさ
(5) 相手の属性
(6) 相手の状況
(7) 相手の行動
2.第三者のとらえ方
3.場のとらえ方
4.自分自身の表し方
Ⅲ 待遇コミュニケーションの世界の「約束事」と「装置」
1.「約束事」と「装置」
2.人、特に相手に関すること
(1) 相手を適切に位置づける
(2) 行動を評価する
(3) 相手を尊重する
(4) 相手に親しみを感じていることを示す
3.場
4.自分らしさの表し方
5.その他の約束事
(1) 社会的役割
(2) 過程の共有
(3) 平等がよい
(4) スケジュールが大事
Ⅳ 敬語
1.敬語的性質
2.敬語の分類
3.敬語の種類
3.1 直接尊重語
3.2 恩恵直接尊重語
3.3 間接尊重語
3.4 恩恵間接尊重語
3.5 丁重語
3.6 尊重丁重語
3.7 丁寧語
3.8 美化語
3.9 尊卑語
3. 10 二重敬語
3. 11 敬語の周辺
4.敬語の運用
4.1 場レベル
4.2 相手レベルと言葉レベル
5.まとめ
Ⅴ 表現意図別の言語表現
1.行動展開表現
1.1 依頼
1.2 断り、交渉
1.3 申し出、提供
1.4 宣言
1.5 指示・命令
1.6 誘い
1.7 助言・勧め
1.8 許可求め、許可与え
1.9「行動展開表現」のまとめ
2.理解要請表現
2.1 ほめ
2.2 お礼
2.3 苦情・注意
2.4 お詫び
2.5 意見を言う
2.6 自己紹介
2.7 ご挨拶(スピーチ)
Ⅵ 日本語教育における扱い方
1. 考え方
2. 初級
3. 中級、上級
Ⅶ おわりに
1. 敬語は何のために使うのか
2. 待遇コミュニケーションに影響を与えるもの
3. 学習者への敬語指導
4. 「相互尊重」と「自己表現」
敬語の分類 5分類〈11分類〉
参考文献 さらに深く知りたい人のために
あとがき
索引
関連情報
新刊
日本語教師が知りたい 敬語と待遇コミュニケーション
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価格: 1,320円(税込)
電子書籍: 価格は各電子書店にてご確認下さい。
- 判型: A5
- 頁数: 132頁
- ISBN: 9784883199518