日本語教育をめざす人のための 基礎から学ぶ音声学
実際の音をCDで聞きながら音声学の基礎が学べる1冊です。学習者に音声教育を行うためには、教える側がその言語の音声的な特徴について知っていなければなりません。本書では日本語や学習者の言語で用いられる音について「基礎」から学べるよう、実際の音をCDで聞きながら納得して読みすすめることができるようになっています。内容も「単音」から「韻律レベル」、そして実際の音声教育まで踏み込んだ、画期的な一冊です。
目次
はしがき
はじめに
1. 音声って何?
2. 音声はどんなことを伝えるの?
3. 音声生成の仕組み
4. 音声の性質
5. 音声のレベル
6. 音声学の領域
7. 音声学と音韻論
8. 音声教育について
第1章 単音(分節音)
1. 単音の分類
1.1 分類基準
1.2 諸言語での使用
1.3 学習者の音声
2. 音声表記
3. 母音
A. 音声学的な考察
(1)調音上の特徴
(2)調音条件
(3)音声的母音の名称
(4)基本母音
(5)音声的な母音
(6)二重母音と連母音
(7)母音の無声化
(8)母音調和
B. 音韻論的な考察
(1)音韻的な母音
(2)音韻的な知識
C. 学習者の問題点
4. 子音
A. 音声学的な考察
(1)調音上の特徴
(2)生成条件
(3)異なる調音
(4)補助記号
B. 音韻論的な考察
C. 学習者の問題点
4.1 カ行の子音
4.2 ガ行の子音
4.3 サ行の子音
4.4 ザ行の子音
4.5 タ行の子音
4.6 ダ行の子音
4.7 ナ行の子音
4.8 ハ行の子音
4.9 パ行の子音
4.10 バ行の子音
4.11 マ行の子音
4.12 ヤ行の子音
4.13 ラ行の子音
4.14 ワ行の子音
4.15 拗音
5. 特殊音
5.1 促音
5.2 撥音
5.3 長母音
6. 日本語の音素体系
第2章 音節
1. 音声的な音節
2. 音声の構造
3. 音韻的な音節
第3章 韻律レベル
0. 韻律的特徴について
1. リズム
1.1 一般的なリズムとは
1.2 言語のリズムとは
1.3 日本語のリズム
1.4 日本語のリズム構成
1.5 日本語のリズム単位
1.6 学習者の問題点
2. アクセント
2.1 アクセントとは
2.2 アクセントの分類
2.3 日本語のアクセント
2.3.1 アクセントを担う単位
2.3.2 アクセントの働き
(1)言語的情報
(2)非言語的情報
2.3.3 アクセントの地域差
2.3.4 アクセントには型がある?
(1)「調素」をもつ
(2)核の有無と位置
2.3.5 アクセントの表記
2.3.6 他の地域のアクセント
(1)京阪式アクセント
(2)二型式アクセント
(3)一型式アクセント
(4)無アクセント
2.3.7 合成語のアクセント
2.3.8 平板化現象
2.4 音声的実現
2.5 学習者の問題点
(1)生成面
(2)知覚面
(3)習得面
(4)アクセント教育
3. イントネーション
3.1 イントネーションとは
3.2 発話文とイントネーション
3.3 イントネーションのパターン
(1)パターンの種類
(2)パターンの実現とアクセント
3.4 イントネーションの生起位置
3.5 イントネーションの働き
(1)文法的機能
(2)情報的機能
(3)談話的機能
(4)感情的機能
(5)心理的機能
(6)指標的機能
3.6 学習者の問題点
(1)文末の音調の不適切さ
(2)音調句の形成
(3)文の意味
4. 強調あるいはプロミネンス
4.1 強調とは
4.2 強調の目的とプロミネンス
4.3 強調とアクセント
4.4 学習者の問題点
5. ポーズ
5.1 ポーズの機能
5.2 ポーズの種類
5.3 学習者の問題点
6. テンポ(速さ)
第4章 音声教育
1. 音声教育は必要ない?
2. 導入と練習の問題点
2.1 どのような音声項目をどのような順序で
2.2 いつ導入するか
2.3 どの程度、どこで、どのように練習するのか
2.4 学習者への対応をどうするのか
2.5 どのように学習者の発音を評価するか
3. 導入と練習のヒント
3.1 単音の導入
3.2 リズムの導入
3.3 アクセントの導入
3.4 イントネーションの導入
3.5 プロミネンスの導入
参考文献
索引
音声学用語日英対照一覧
CD収録内容一覧
国際音声字母(IPA)
THE INTERNATIONAL PHONETIC ALPHABET