日本語教師のための 入門言語学 ―演習と解説―
こんな言語学の解説書がほしかった!
日本語を教えるにあたって、日本語教師には「言語学」の知識が必要になります。「言語学」は日本語教育能力検定試験の出題範囲にも含まれ、中でもとりわけ難しい分野だと言われています。本書では、難しいとされる言語学の理論を、身近な日本語を例にやさしく解説します。
【特徴】
章の冒頭には「キーワード」のページがあり、その章で学ぶ用語を予め把握することができます。
読んで知識を詰め込むだけの参考書とは異なり、
「解説を読む」→「問題を解く」→「答えと説明を確認する」ことの繰り返しを通して、理解を深めていく構成になっています。
各章は「言語学発展の歴史」に沿って解説され、言語学者の研究対象はどのように変化してきたのか、
言語学はどのような成果をあげてきたのか、分かりやすく解説されます。
各言語理論の内容だけでなく、どうしてそのような理論が登場したのか、背景を知ることによって知識を定着させることができます。
さらに、
知的好奇心を刺激する「コラム」や「雑学のうんちく話」を設け、興味を持って楽しく学習を継続できるよう工夫しています。
初めて言語学を学ぶ方にはもちろん、復習にもおすすめのテキストです。
『日本語教師のための 入門言語学 ―演習と解説―』をご利用中の皆様へ
第7刷(2023年9月15日発行)より、商品内容に変更を加えております。変更点の対照表をご用意いたしましたので、第6刷(2022年6月15日発行)以前の刷をお持ちの皆様には、下記リンクより該当箇所をご確認いただきたくお願い申し上げます。ご利用中の皆様方にご迷惑をおかけいたしますこと、深くお詫び申し上げます。
変更点の対照表(PDF)
p. 11およびp. 188の図表の変更につきましては、変更後のイメージを確認できるPDFファイルをご用意しました。下記リンクよりご確認いただけますと幸いです。
p. 11 図表イメージ(PDF)
p. 188 図表イメージ(PDF)
目次
第1章 言語学のはじまり
キーワード
1.言語学の歴史
1.1 言語研究のはじまり
1.2 言語学の誕生
1.3 構造主義言語学の発展
1.4 客観的研究から認知的研究へ
コラム1「ソシュールと構造主義言語学」
やってみよう1
2.言語学の基礎知識
2.1 言語の特徴
1)線条性
2)記号性
⑴シニフィアン(能記)とシニフィエ(所記)
⑵言語記号の恣意性
3)言語の二面性(ラングとパロール)
4)言語の生産性
⑴言語の二重分節性
⑵統合関係と連合関係
やってみよう2
雑学のうんちく話①「日本語はどこから来たのか?」
2.2 言語の機能
1)言語能力
2)談話能力
3)方略能力
4)社会文化能力
やってみよう3
第1章のまとめ「言語学のはじまり」
総合問題1
第2章 音声学
キーワード
1.音声学とは
1.1 音声学の種類
⑴調音音声学
⑵音響音声学
⑶聴覚音声学
1.2 音声の表記
1.3 発声の仕組み
コラム2「呼気音・吸気音・吸着音」
1.4 声帯の働き
1.5 音声の種類
やってみよう4
2.日本語の音声の特徴
2.1 子音
1)調音点による分類
⑴両唇音
⑵歯茎音
⑶歯茎硬口蓋音
⑷硬口蓋音
⑸軟口蓋音
⑹口蓋垂音
⑺声門音
2)調音法による分類
⑴破裂音(閉鎖音)
⑵摩擦音
⑶破擦音
⑷鼻音
⑸はじき音
⑹接近音
やってみよう5
2.2 母音
やってみよう6
2.3 音声の50音図
やってみよう7
雑学のうんちく話②「言語習得に臨界期はあるのか?」
3.超分節素
3.1 アクセント
1)強勢(ストレス)アクセント
2)高低(ピッチ)アクセント
やってみよう8
3)声調(トーン)
3.2 イントネーション
やってみよう9
第2章のまとめ「音声学」
総合問題2
第3章 音韻論
キーワード
1.音韻論とは
1.1 音素の概念
1.2 条件異音と相補分布
やってみよう10
1.3 日本語の音素の例
やってみよう11
1.4 音素の見つけ方
やってみよう12
雑学のうんちく話③「いっこく堂の“舌唇音”」
2.日本語の音素
2.1 日本語の音素と異音
2.2 自由異音と自由変異
やってみよう13
2.3 音素の50音図
やってみよう14
コラム3「外国人が苦手な音声」
3.母音の無声化
やってみよう15
第3章のまとめ「音韻論」
総合問題3
第4章 形態論
キーワード
1.形態素とは
1.1 語彙的形態素と文法的形態素
やってみよう16
1.2 自由形態素と拘束形態素
やってみよう17
1.3 形態素と異形態
やってみよう18
2.語構成
2.1 タガログ語の接中辞
2.2 語構成の分類
雑学のうんちく話④「オージーに人気の形容詞“bloody”」
1)形態素の数による分類
やってみよう19
2)形態素の変化による分類
やってみよう20
3.日本語述語の活用
3.1 日本語動詞の活用分析
3.2 派生接辞
やってみよう21
コラム4「ブルームフィールド」
3.3 有標理論
やってみよう22
第4章のまとめ「形態論」
総合問題4
第5章 統語論
キーワード
1.統語論とは
1.1 直接構成素分析(IC分析)
やってみよう23
1.2 樹形図の特徴
1.3 直接構成素分析の限界
雑学のうんちく話⑤「史上最強の外国語教授法“ASTP”」
2.チョムスキーの言語理論
2.1 帰納法と演繹法
2.2 日本語の句構造規則
やってみよう24
2.3 チョムスキーの文法理論
1)普遍文法
コラム5「ノーム・チョムスキー」
2)言語能力と言語運用
⑴言語能力
⑵言語運用
3)深層構造と表層構造
4)文が生成されるプロセス
5)同義文の分析
6)両義文の分析
7)チョムスキー理論のその後
やってみよう25
第5章のまとめ「統語論」
総合問題5
第6章 意味論
キーワード
1.意味論とは
1.1 語の意味
1)辞書による意味
2)成分分析
3)語の意義素
やってみよう26
1.2 語の意味関係
1)同義関係
2)反義関係
⑴連続的反義関係(反意関係)
⑵両極的反義関係(対極的反義関係)
⑶視点的反義関係(逆意関係)
⑷相補的反義関係(排反関係)
やってみよう27
3)包摂関係
4)非両立関係
やってみよう28
1.3 句の意味
1)連語
やってみよう29
2)慣用句(イディオム)
やってみよう30
1.4 文の意味
1)独立した文の意味
コラム6「国語に関する世論調査」
⑴命題
⑵前提
⑶含意
やってみよう31
2.談話における文の意味(語用論)
2.1 コンテクスト
2.2 結束性と統合性
1)結束性のつながり
2)統合性のつながり
やってみよう32
2.3 発話の構成要素
やってみよう33
2.4 発話行為
1)行為としての発話
⑴発語行為
⑵発語内行為
⑶発語媒介行為
2)間接発話行為
やってみよう34
2.5 会話が成立する条件
1)協調の原理
2)グライスの理論による会話の含意
やってみよう35
3.言語・文化・思考
3.1 意味の三角形
3.2 言葉と文化
3.3 サピア・ウォーフの仮説
やってみよう36
雑学のうんちく話⑥「言葉によって異なる色の認識」
第6章のまとめ「意味論」
総合問題6
第7章 認知言語学
キーワード
1.認知言語学とは
1.1 知識構造
1)スキーマ
2)カテゴリー化
やってみよう37
3)フレーム
やってみよう38
4)スクリプト
やってみよう39
コラム7「言語学戦争」
2.認知作用と言語
2.1 図(フィギュア)と地(グランド)
やってみよう40
2.2 プロファイルとベース
2.3 トラジェクターとランドマーク
やってみよう41
2.4 ゲシュタルト
やってみよう42
雑学のうんちく話⑦「効果的に学習を進める方法」
3.比喩表現
3.1 隠喩(メタファー)
3.2 換喩(メトニミー)
3.3 提喩(シネクドキー)
1)上位概念→下位概念
2)下位概念→上位概念
3.4 直喩(シミリ)
やってみよう43
第7章のまとめ「認知言語学」
総合問題7
参考文献
索引
別冊 「解答と解説」
関連情報
日本語教師のための 入門言語学 ―演習と解説―
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価格: 1,980円(税込)
電子書籍: 価格は各電子書店にてご確認下さい。
- 判型: A5
- 頁数: 245頁
別冊: 47頁
- ISBN: 9784883197392